診察1:出会い

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「なら、家を建てたらどうですか?それぐらいのお金、いくらでも持っているでしょう。」 「金がいくらあっても、そんなどぶに捨てるようなことはしない。」 「そうですか。」 「というわけで、明日の夕方ごろに行く。じゃあ。」 そこで電話は切れた。 「明日、か。明日何かあるのか。まったく。」 すっかり冷えてしまった体を温めなおすため、もう一度お湯につかった。 「疲れた・・・。」 やっと何も考えなくてもいい、と思い目を閉じる。 水の音以外、何も聞こえない、俺だけの部屋。 何も片付ける必要はない。 もともと、生活に必要なもの意外ほとんど置いていない部屋だ。 散らかることなどほとんどない。 医療関係の本も全部きちんと整理している。 「ずっと、このままでいいのに・・。」 まぁいいか。 風呂から上がり、寝巻きに着替える。 そろそろ寝るか。 明日、いろいろあるんだから。 自室に入り、ベッドに潜り込んだ。 電気を消して、目をつむった。
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