二章 死地へ赴く

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完全に無視された形の村井貞勝は、信忠の後を馬で追っていた。 「(いたしかたあるまい…。とにかく、この身にかえてでも信忠様のお命だけは…)」 貞勝はそう胸に誓った。 前方には明智勢の背中がもう見えている。 すでに攻めかかっているようだ。 織田信忠は馬を速めた。 貞勝も馬を速めてそれに併せる。 馬術が不得手な貞勝であるが、今だけは自由自在に馬を操れそうな気がした。
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