始まりの夜・・銀座

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私「おはようございます。」 「あっ、葵ちゃん、おはよう。今日は金曜だから混みそうだね。頑張ろうね。」 店に入るとボーイの中村さんに声をかけられる。 一言、二言、言葉を交わして私はロッカールームへ。 綺麗なドレスを身に着け、髪をセットして貰い、 『葵』の誕生である。 今日もこれから数時間、私は葵を演じるのである。 いつもの工程。 慣れたもの。 どんなに沈んでいたって、店に入り、ドレスを着て葵になった私は、とびきりの笑顔を作る。 たとえそれが、偽りの笑顔だとしても。
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