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それを聞いて亮は嬉しそうに顔を上げる。
「そーなんだー!!
俺ら似たもの同士だねー!
いや、布津君の方が全然かっこいいけどさ!
ほんと、こんなにかっこいい人を振るだなんてどんな人なんだろう~!
でも布津君でもそういうことあるんだって思うと親近感沸いちゃうよ~~!」
「・・・そりゃどーも」
「これからも結をよろしくお願いします!
君になら結を任せられる・・・ってあっ、何言ってんだ俺!
好きじゃないって言ってたね、ごめんね!
しかもちょっと偉そうだったよね、ほんとごめん!気分悪くしないでね!」
(うおーー!!何だコイツーー!!)
やっぱりどうしても話が噛み合わない。
「あの、そうじゃなくてさ・・・」
グゥーーーーー・・・
「あ」
布津が言いかけた時、亮のお腹から盛大に音が鳴った。
亮は体をビクリと跳ねさせ、また赤面する。
「じ、実は・・・すごくお腹がすいてるんだ・・・」
「・・・・・・」
なんだか全身の力が抜けたような気がして、布津はガクッと肩を落とした。
(ま、いっか・・・)
無意味に話をややこしくする必要はない。
当人同士が、自分達3人がこれでいいと思っているのだからいいんだろう。
布津は大きくため息をついた。
「じゃあ早く行こう。うちの店で食っていけばいいだろ?
サービスするように言っとく」
「本当?!ありがとう布津君!」
呼び捨てでいいと言いかけて、恥ずかしくなってやめた。
「言いづらいんだけどあとひとつお願いがあるんだ・・・」
「何?」
「実はずっと歩いてたから足が痛くて・・・腕につかまっててもいい?」
「 嫌 だ 。 」
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