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クラスの店に入ると席につかせて深江を呼んだ。
ちなみに受付の瑞穂はテンパってて全然気づいてないらしい。
亮の顔を見て目も口もめいいっぱい開いて驚く深江を見て、布津は自分までおかしくなって笑う。
「あきら、布津君に頼っちゃったの?!相変わらずなんだからー」
「えへへ、布津君とも仲良くなっちゃった~」
「そうなの?
ふふっ、あきらはいつもそうなんだから。ふふふふっ」
「えへへへー」
二人の空気はちょっとだけむずがゆい。
なんともおかしな関係だが、今は純粋に友達が増えたことを喜ぼう。
「はははっ」
布津もつられて声を出して笑った。
***
文化祭も終わり、一人で帰ることのできない亮が深江達が終わるまで待ち、合流した。
ちなみに充電の切れた亮の携帯はシンデレラ喫茶の隅で充電させてもらっていたようだ。
「はじめまして」
「は、はじめまして・・・」
一緒にいた瑞穂と有馬に亮が挨拶をする。
初顔合わせな二人は整った顔立ちの彼に驚きながら挨拶を返した。
「えーっと亮、こいつが例の俺の幼馴染」
「そうなんだ~。こんなカッコイイ布津君を振るなんてもったいないなぁ・・・」
「こ、こらっ!布津!何吹き込んだのよ!!」
初対面でも遠慮なく思ったことを口にする亮に周囲は当然だが驚いた。
瑞穂は布津の腕を引いてコソコソと耳打ちする。
「え・・・?噂には聞いてたけど亮君ってメチャメチャかっこよくない?!
本当に結ちゃんが振った人?
なんか芸能人みたいなんだけど」
「あー・・・」
なんと説明したものか・・・
布津は頬を掻きながら頭をひねった。
「まあ・・・アレを異性として見るのは難しいものがあるからな・・・」
なんだか疲れたような顔をしてそんなことを言う布津を、瑞穂は全く意味がわからずに首をかしげた。
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