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「うっひょぉおーーー!!」
オレンジの髪と学ランを揺らす気持ちのよい風に気分は高まり、そのまま手擦りまで駆け寄った。
「すっげぇすっげぇー!!
眺めいいーーっ!!
なんだココ、超いい場所じゃーん!なんでこんなところが立入禁止・・・・・・
って怖ぁぁぁああああ!!」
手擦りを掴んで身を乗り出した加津佐は慌ててしりもちをついて後ろに倒れこんだ。
「何だココ、怖ッ!!
手擦りグラグラ!
つか手擦りの間から余裕で体落ちるじゃん!
棒と棒の感覚が広すぎ!
関取ぐらいじゃねーとつっかえねーよ!」
だから立入禁止――
加津佐は改めて納得した。
「それにしてもまだあの先生探してるだろーなー。
こりゃほとぼりが冷めるまでここにいるか。
丁度眠たくなってきたことだし・・・ふあぁ・・・」
あくびをしながら屋上をぐるりとまわってみると、丁度建物の裏の方がいい感じに日陰になっている。
少しだけ日差しの強い今日は丁度いい場所だ。
「いい場所みーっけ!」
加津佐はそこにごろんと横になると5分としないうちに寝息をたて始めた。
10分程たった頃だろうか――
気持ちよく寝息を立てる加津佐の耳に、バン!と乱暴な音が響いて飛び起きる。
「?! なっ、何だ?!」
よだれをたらしながらあたりを見回し、そういえば自分は屋上にいたのだと気づく。
頭が冷静になるうちにドヤドヤと人の足音が聞こえた。
先ほどの音はドアが開かれた音らしい。
(やべっ・・・先生かな?!)
加津佐は身を縮こめて息を潜ませた。
しかしどうやらその足音は複数のようだ。
何事だろう―――
そっと表の方を覗き見た。
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