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「突然飛び出して来たから、変な奴だと思って警戒してた。
・・・悪い。助けてくれたのに」
「おおお?」
少し恥ずかしそうにしながらも素直に謝る有明の姿に加津佐は驚く。
(へぇ、もっとひねくれた奴だと思ってた)
「へ、変な奴ってなぁ~・・・」
「何のメリットもない他人の喧嘩に首つっこむなんて相当変だろ」
「あんな場面出くわしちゃったらほっとけないでしょー。
目の前で怪我人が出たら後味悪いし」
「俺ならほっとく」
「う、うん。まあ有明ならそうしそうだよね」
「・・・それにオレンジ頭だし『ヒーロー』とかわけわかんないこと叫んでるし」
「お、オレンジはけなすなよぉ!!
ヒーローはあれ・・・とっさだよ!なんか勢いに乗っちゃったんだよ!そこ触れるな恥ずかしい!」
「・・・・・・プッ」
顔を真っ赤にして言い訳する加津佐に、有明は肩を揺らして笑った。
こんな奴でもこういう笑い方をするのか、と加津佐は関心する。
驚き呆ける加津佐をよそに有明は気が済むまで声を出して笑った。
――これが二人の初めての出会いだった。
全くタイプの違う二人が、まさかこの後長い付き合いをすることになるとは、この時点では二人とも予想すらしていない。
***
しばらくして教室に戻った二人はまた驚くことになる。
「あれ、同じクラスだったんだ」
「ええええ?!今さらぁぁあ?!」
有明はどうやら基本、他人には全く興味がないようだ。
それにしたって有明より目立つオレンジ頭・大声な加津佐に気づかないとはよっぽどだ。
「へえ。名前何て言うの?」
「しょうがねーなー。教えてやるよ!
加津佐タケル!
タケルって呼んでくれていいぜ☆」
「わかった加津佐」
「ちょぉぉぉおおお!!」
この件以来あまり特定の人と仲良くすることのなかった有明が、加津佐とだけは比較的よく一緒にいるようになり、自然とそれは他人の目にも触れて異色コンビだと言われるようになる。
有明に好意を寄せる女子達からは「一匹狼な有明君がよかった」だとか「もっと知的な友人が合うのに」とか散々言われていたようだが、あまり二人の耳に入ることはない。
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