誕生日

3/19
50246人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
布津は面倒そうに頭をかく。 「何だって喜ぶだろ、アイツなら。  高校生の微々たる小遣いに期待なんてしねーよ」 「そうなんだけどさー・・・ちょっと聞いてよ、国見さんから聞いたんだけどさ」 瑞穂は神妙な顔をして布津に顔を近づけた。 「有明先生、今までもいいものもらってたらしーんだよね。  去年とかすごかったって」 「量だろ?」 「私もそう思ったんだけど、プレゼントあげたのは生徒だけじゃないみたいなの」 「ってことは・・・?」 「そ。モテるのは生徒にだけじゃなかったってこと。  誰かはわかんないんだけど結構年上の女の先生に高そうな時計もらって、断れずに困ってたって」 「ヒエーー・・・!昼ドラみてーだな。  漫画みてーにあからさまなモテ方するわけじゃねーから、そこまでとは思わなかった」 「私もだよー・・・」 二人は大きなため息をついた。 「それでもモノの価値観にはこだわらねーだろ。  時計より瑞穂があげたものを大切にするって」 「そうなんだけどー・・・  なんかこう、メラメラと」 「変な対抗意識燃やしてんじゃねーよ!!」 布津のこぶしが瑞穂のデコをグリグリと攻撃する。 「そういうのこそ加津佐さん達の方が知ってるだろ」 「もちろん聞いたよ。  でも・・・・・・」 「でも・・・?」 「わっ・・・  『私をプレゼント(ハート)』  で、オッケーだって・・・」 「オッサンか!!!!」 布津が思わず机を叩くと近くの生徒数人から視線をあびる。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!