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「で、国見さんは何て?」
「勝負下着ならアタシが選んであげるって」
「だからオッサンか!!」
今度は頭を思いっきり机にぶつけ、さっきよりも多い生徒から視線を浴びた。
大人は頼りにならないと二人で悩んでいると、布津は何かを思い出したように顔を上げた。
「そうだ!オーイ有馬ぁー!!」
「なによ」
布津が大声で呼ぶと自分の席でメイク直しをしていた有馬が面倒そうに返事をする。
「有馬さ、有明の誕生日って去年何かやった?」
「何よ突然。当たり前じゃん!
ウチお手製のウエディングケーキをプレゼントしたわよ」
「う、ウエディングケーキ?!」
そんなもん、どうやって学校に持ってきたんだという質問はしない。
誕生日にウエディングケーキ・・・というツッコミもしない。
「それ受け取ったのか・・・?」
「もちろん!
有明先生、奥ゆかしいから初めは断ってたけど遠慮はいらないからって言ったら喜んで受け取ってくれたわ!」
有明が不憫で仕方ない。
「で・・・・・・、今年はどうするつもりなんだ?」
「去年はハデにやったから今年はもっと落ち着いた方がいいかなと思ってね」
有馬も学習するのか、と二人は少し関心する。
「だから今年はペアリングにしようかと思って!!キャ!!」
「「・・・・・・・・・・・・」」
そうでもなかった。
「有馬さん、有馬さん」
有馬の後ろから声を掛けてきたのは深江だ。
瑞穂達からは小柄な深江は有馬の影に隠れて、有馬が振り向くまで見えない。
三人が深江に目をやるとニッコリ笑って言った。
「でもぉ~~、有馬さん今は口之津先生と付き合ってるんでしょぉ?
口之津先生の誕生日はどうするの~?」
「チッ、それはそれ、これはこれよ」
(今舌打ちした・・・・・・)
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