スピカ/Plastic Tree

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 帰り道。夜。冷たい空気。かじかむ手。もうすっかり冬だなあ…なんて、ありきたりなことを思いながら帰路に着く僕。  ふと空を見上げた。よく晴れていたけれど、星はよく見えない。 ――ここは東京。  幾つものネオンが、まるで星を隠すかのようにキラキラキラキラしてる。    どんっ 「すみません」  誰かに肩をぶつけてしまい、反射的にを頭を下げる。 「前見て歩け!」  肩をぶつけてしまった男は捨て台詞を吐いて去っていく。  いいじゃないか、今日ぐらいは星を見ながら歩きたい。自分勝手な思考で、僕はまた懲りずに空を見上げる。  今日は、記念日。
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