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「私は……」
「っえ?」
可愛らしい声で、少女は呟く。
隊長は何を言ったのか聞き取れなかった為、聞き返してみる。
すると今度は聞こえるくらいの声で、少女は口を開く。
「私は、ただの兵器だよ」
それだけ言い残すと、パチンと指を鳴らし黒いゲートが現れ少女はその中へと消えて行った。
隊長と隊員は彼女の言葉がいまいち理解できず、ただそこにあったゲートを見ていた。
そして、第一次魔物対人間の大戦争は幕を閉めた。
その戦争を見事勝利に導いた、赤毛の少女は後に“英雄”として人々の間に語り継がれて行った。
それから暫くの事である。
“天の薔薇”が“空色の絆”を裏切ったのは。
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