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「何故俺たちを裏切った?」
予想通りの質問。
そして、彼等が最も知りたいと願っている質問だろう。
風が吹き、髪が靡く。
「何故?それを教える義理があるの?私たちは敵同士なんだよ?そちらが私に情報を提供する義理が無いのと同じで、此方も自分の情報を貴方たちに与える義理は無い」
私はきっぱりとそう言いきる。二人の顔が歪んだのも見逃さない。ありきたりな質問だが、ありきたりな質問だからこそ聞き出せると思ったのだろう。甘い。そんなに私は馬鹿じゃないよ。
「それに、“空色の絆”を裏切った者には、言い訳なんて聞かずに殺せって言うのが“掟”の筈だよ?」
「……」
二人は複雑そうな顔をしながら二の句を繋げずに黙ってしまう。
だって、本当にそう言う掟があるんだもん!!
彼らが私を殺さないのは、恐らく二人がかりでも私を始末できないと思っているからなのだろう。
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