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どう説得して来ようが、私の意思も計画も変わらない。
「“あの人”も、お前が抜けた事を酷く惜しんでいられる」
沈黙を破ったのはシーン。私は視線だけをシーンに向けて、言葉の続きを待つ。
「今、お前が戻っても誰もお前を咎める者はいない。だから、戻って来いよ!!“俺たちの処”に!?」
シーンの言葉に私は思わず溜め息を吐く。こう来るんじゃないかと思ってたけど、本当に来るとは……。
何人がかりでも、恐らく私は負けない。向こうも勝てる気はしないのだろう。暗殺が無理なら勧誘っか。
「裏切った人間を再び組織に入れるの?堕ちたものだね?“空色の絆”もさ?」
「“あの人”が、貴女を必要だとお思いになられたのでしょう。私たちはそれに従っているまで」
「……必要っね?」
私は小さく呟く。そして、再び思い空気が私たちの間に流れる。
私は俯いて瞳を閉じる。
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