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“僕のステラ?君は僕のモノだ。僕以外の人間に従ってはいけないよ?”
“僕を裏切る事だけは、してはいけないよ?君は僕のモノなんだからね?”
幾つもの言葉が脳裏に蘇る。彼は何時も呪文の様に私に、“君は僕のモノ”と言っていた。幼かった私は然程気にはしていなかった。寧ろ、それが正しくて当たり前なのだと思っていた。でも……。
「私は“君たちの処”へ戻るつもりは無い。先の奇襲の時に、君たちとは相容れない事が確認できているからね?」
私は瞳を開け、顔を前に向けて彼らに言葉を発する。二人は私の答えに納得のいかない顔をしている。
「どうして?何が不満だっていうの?“最強”と“英雄”の称号を頂いて、世界に認められて……それなのに、何が不満なのよ!?」
シェシェは声を張り詰めて、私に問う。シーンも口は開かないが、シェシェと同じ意見の様だ。私の回答を静かに待っている。
そう、普通なら不満なんてある訳が無い。
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