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「貴女と違って、一般人の私たちからすれば、喉から手が出るほど欲しい栄光。それを君は侮辱にも似た言葉を発した……手を出そうとしたシーンも悪いけど、貴女も悪いのよ?」
「……だから、相容れないんだよ。私たちは」
「っえ?」
私はシェシェとシーンの横を通り過ぎ、生徒が落ちない様に設置された柵に肘をつき、ここからでも良く見える空色の絆の本部を見つめる。
「ステラ?」
シェシェが私の名を呼ぶ。私は暫くボーっと本部を見た後、ゆっくりと振り返り二人に顔を向ける。
「君たちが欲しいって願っていたモノが、私が欲しいと願っていたモノだとは限らない。最初に言った筈だよ?」
「“求めているモノ”の違い?」
シェシェが確かめる様に言って来たので、私は黙って頷く。
“空色の絆”の連中は、自分たちの常識で日常生活を送っている。だから、知らないんだ。自分たちとは違う考えを持った人間がこの世にはいるって事を。
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