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「……監視も含めて、私たちは暫く貴女と行動を共にさせてもらうわ?」
暫くの沈黙の後、シェシェが静かに口を開く。私は企みを含めた笑みを浮かべながら言葉を発する。
「今、殺さないんだ?」
「……分かってるくせに、そう言う事を言うんだね?君は」
シーンが不貞腐れた顔をしながらそう言う。私は彼の言動に肩を竦める。
そう、分かっているよ。でも、確かめたかったんだ。私が君たちを殺さなくちゃいけないか否かを。もし、今ここで私を殺すと言えば私は何の迷いも無く、嘗ての友を手に掛けていただろう。
「っと言うか、“赤の他人”に何て監視されたくないんだけど?そもそも、どうして監視なんてされなくちゃいけないの?私たちはもう、“仲間”じゃないのよ?」
「それは……」
「それに、そう言う事は言わないで置くべきじゃないの?スパイでしょ?仕事は?私の信頼を得て、私から情報を聞き出すのが目的じゃないの?」
シーンが何かを言いかけたが、私はそれを遮って言葉を続けた。
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