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「ふ、いたずらに決まってんだろ。そんなん気にすんな」
俊也は眠そうにあくびをしてガランとした視聴覚室の適当な席に腰を下ろした。
「そうだね。でもなんか僕らが交換ノートやってるなんて知られたと思うと嫌だな…」
「どおゆう意味だよ~!ゆうにゃんのバカ」
翔がむすーっとして僕を軽く叩いた。
でも実際あんなことは嘘。
僕は気になっていた。
だってあの字…書く時間なんてなかったはず。
僕と俊也が授業に遅れたのが30分前。そしてここに交換ノートを置き忘れた。授業を受けたのは25分間だけで、あとの5分は僕らがここに来た休み時間。
ひとつの授業時間は45分間で15分間僕が寝てしまったためここに居座った。
それでも誰もこなかったということは授業がないってこと。
なのに誰が書いたのかな…。
やっぱ書く隙なんてないよ。
「裕太のこと叩いてんじゃねぇよ、大丈夫か?裕太」
「う、うん…」
僕が考え事してたのがどうやら翔に叩かれて痛がっていると思った俊也が僕の頭を優しく撫でてくれた。
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