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今日はとうとう高校入学の日。
だけどあたしは朝から走り回っていた。
「だからあれほど昨日のうちに準備しとけ、っつっただろ!?後5分でココ出ねぇと、ぜってー遅刻だせ!?」
「うるせーな!5分もあればじゅうぶんだよ!!」
15分前、あたしを起こしにきた拓斗は、今日の準備を全然していない散らかったあたしの部屋を見るなり怒鳴りだした。
拓斗はあたしの新しいカバンに今日必要な書類を急いで詰めている。
あたしはあたしで制服に着替えたり、寝癖のついた髪を梳かしたりとバタバタと走り回っていた。
ようやく準備を終えて家を飛び出すと、なんとか間に合いそうな時間だった。
「陸のせいで入学初日から遅刻して、注目浴びるなんてまっぴらだぜ!?」
駅までの間を走りながら拓斗は文句を言う
「はいはい、悪ぅござんした!帰りに拓斗の好きなアイス奢ってやるよ!」
「…よし、今回はそれで手を打ってやる」
…拓斗は可愛くて簡単な奴だな。
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