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「金稼がないと単車、買えねぇじゃん」
「ま、まさか陸…お前その為に高校行かないつもりでいたのか…?」
「?あぁ。そうだけど」
「またそんな危ない乗り物を!ダメだぞ!陸の綺麗な顔に傷でもついたらどうするんだ!!父さんは断固反対だっ」
…半泣きになりなが訴えかける父親ほど、鬱陶しいものはないな。
「…あんたが高校入学の手続きを勝手にしてくれたおかげで、その夢も先伸ばしになったよ」
…―健二は昔っから喧嘩っぱやい陸を、県内でも悪名高い高校に行かせることで、自分が『か弱い女の子だ。』と気づかせる為にこの高校に通わせることにしたんだが、本来の目的とは随分ズレてしまっているが単車に乗るという危機を偶然にも脱出したようだ
すでに単車購入を諦めた陸はため息をつきながら、拓斗に高校に通うことになったことを今晩、伝えようと考えていた―…
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