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身長は少し小さめで、髪は二つ結びにしていた。ワンピースを着ていて、お腹の部分に赤いリボンが付いていた。 風が吹くたびに結んだ髪がサラサラと揺れた。 "ダレカ"はいつの間にか居なくなっていた。 そういえば口笛を吹きながら、自転車にのって「バイバイまたね」と言って去っていったような気がする…。 また会えるかな。 テルコはまたこの公園に来ようと思った。 ハルがヒゲをぴんぴんさせている。マツも耳を動かしむくっと立ち上がった。 "ダレカ"は言っていた。 青いものは人の心を落ち着かせる、と。 テルコは青い空を見た。 そして静かに目をつぶった。太陽の光がまぶたを通じて伝わってくる。 時期に夕方になり夜になる。あの暗闇に飲み込まれる。 ―逃げ出さなくっちゃ… 光のある世界へ…。 暗いところは嫌なんだ。 暗い…暗い世界は… 嫌なんだ…。 ―逃げ出さなくっちゃ。
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