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―--照子は初めて夜をみた。
深くて暗くて獰猛で
なぜか少し落ち着く‥。
恐怖はなかった。
―-誤解していたんだ。
夜が照子を包みこんでくれた。
もう 逃げなくていいのだ。
照子は思った。
(どうして私は逃げていたのだろう‥。
逃げていた意味はなんだろう‥。)
あの風船は教えてくれた。
--自由になろう--
--自由な心をもとう--
--誰にも縛られず、
自分の思うままに--
あぁ。逃げなくて、よかったんだ。
逃げ出せなくても、よかったんだ。
マツとハルは何も言わず、だだじっと闇のなかで座っていた。
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