356人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも……、
ううん何でもない」
―前川先生も先生が好きだから
俺だけじゃなくなるね。
優しく微笑む少年の瞳は
悲痛に満ちていてる。
嘆き、泣き叫ぶ少年の心は
―ごめんなさい だけど俺は、
只貴方からの愛が欲しかっただけ
知らず知らずのうちに
―ごめんなさい
こんなにも 歪んだ愛で。
軋み、壊れかけていた
「っ…………」
「どうしたの先生?」
指を頬から首筋に滑らせながら
そう問い掛ける。
「…何で…こんな事するんだ?」
不安の色に染まった表情で
そう聞く先生に俺は目を反らしてから
ポツリと呟いた。
その呟いた言葉が
貴方に届く事は無くて
只ひたすらに
後戻りの出来ない道へと突き進んだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!