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桜が咲き始めた春の季節。
自分が卒業するまで後一週間…
あの日から決めていた事を
俺は今日、実行する。
――――――…。
「こんな所に呼び出して何のようだ?」
ガシガシと髪を掻き乱す
目の前の男…坂下 聖
数学教師で俺の担任。
「先生に…返事を貰おうと思ってね。」
ニカッと歯を見せて笑う俺は
いつも通りの軽い口調。
そんな俺に先生は
笑いながら答える。
「またか? 前も答えただろ?」
と、いつも通りの返事を…
そして続ける。
「お「俺には好きな奴がいる。」」
軽く目を見開き硬直している先生に
俺は笑みを作りながら
「聞き飽きたよ…先生」
そう呟いた。
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