-Ending love-

4/17
前へ
/33ページ
次へ
「……これ、なに?」 パチクリと開いた目は瞬きを数回し 不思議そうな表情で 先生はそう俺に訪ねた。 「え?手錠だよ先生」 そんなのも知らないの? とでも言うかのように 先生の目を見て首を軽く傾げて答える。 「いやいや、そう意味ではなく」 「何でこれを俺につけてるの?  って聞きたいの?先生」 目を細め広角を上げながら 優しく聞いてあげると 先生はそうそう! と勢い良く首を縦に振った。 「ふふ。まだ知らなくていいよ  その方が…――、」 言葉を止めて少し目を伏せる。 「その方が…なんだ?」 続きが気になるのか 俺が呟いた言葉を 繰り返し問いかけてくる先生。 その方が― 「ううん!…何でもない。」 ―貴方の心に 深いキズを残す事ができるから 貴方の一番愛する人が俺で無いなら 俺は貴方の一番憎む人になりたい。 .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

356人が本棚に入れています
本棚に追加