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少年が、町を駆ける。
周囲には無惨に死体が散乱し、それらが放つ腐臭が辺りを覆っている。
この町に、生者は彼しか居ないのだ。
そんな死人の町を、彼は一人駆け抜ける。
少年は全身を黒で統一していた。
髪も黒、ズボンも黒、羽織っているロングコートもまた黒。
例外はニつ。
彼の肌は氷雪の如き白であり、瞳は紅玉を思わせる。
少年の身体は細く、目前に広がる惨状には似合わない高貴さを漂わせていた。
脆弱そうな外見。
しかし彼の両眼には、見る者を圧するかのような覇気が宿っており、そして何より、視界に広がる惨状を前に顔色1つ変えていない。
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