─二学期─

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「私が来たのは、もちろんあの腐れ貴族をギタギタにする為なのだが──」  今、王国の道標が腐れ貴族つったぞ。しかもギタギタて。娘の事には見境ねーな……。 「君達を送る役目も任されてね。レイン君は和都へ、他の皆はしに……いや、トビが呼んでいるよ」  ああ、トビさんが死神ってのは秘密だったか。つまり、あの人は無事だった訳だ。ユーラさんの拷問から。 「えっと……レイ兄ぃだけ違うんですか?」 「ん……? ああ。俺は会わなきゃならない人が居るんだ。コレも、渡さなきゃだし」  制服のポケットから、フェイの盗んだ資料を取り出す。……これをカバンに入れてたらヤバかったかもな。 「あ……そうだね。ならレイン君、お母さんと夜桜のみんなによろしくね」 「ミズキは良いのか? まぁ、そっちはミズキ居ねーと話にならないだろうけど……」  後継者になっちまったんだし。話題の中心になるだろう。予想通り、ミズキははにかんで首を横に振った。 「お母さん達とは一昨日会ったんだよ。だから私は、私の役目をしなきゃ」 「そうだな……分かった。ならセンリさん、お願い出来ますか?」 「ああ、少しだけ待ってくれ」 ……そう言って、センリさんは魔法陣を開く。数は二つ……なんだけど。
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