─葛藤─

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     * * *   翌日。 「あれ? なんだ、教室壊れてないぞ?」 「あ、ホントだ。……えーっと、黒板に何か書いてあるよ?」 「なになに──あー……学園長の謝罪文だ」 「びっしりだな……やっぱ普段はちゃんとした人って事か」 「カバンも無事みたいだしね。……けどさ、そこまで謝られると」 「ああ。始業式をサボった事に罪悪感が芽生える。悪い事しちゃったな」 「まぁトビさんの所為にしとこうぜ。……っとレイン、見ろよコレ」 「ん……?」  クラスメートに声をかけられた。  それに、いつもよりは軽く返す。  話題の黒板を離れ、自分の席へ。  階段を、ゆっくりと登ってゆく。 「あ、おはよーレイン君」 「レイ兄ぃっ、おはようございますー」 「……ん、おはよ」  ミズキと、スイちゃん。あとエルとセレナはカバン以外にも荷物がある。  どっか行ってるのか。それは……良かった、かな。今はあんまり話せる気がしない。 「んぁ? レイ兄ぃ寝てないんですか? ふらついてますよ?」 「いや……大丈夫」 「レイン君……顔色悪いけど……」 「……大丈夫だよ。けど、ちょっと寝るわ」 「あ、うん」 「代返は任せてくださいっ」 「……任せた」  ツッコみ方、間違ってんな……。けど今は、あんまり頭が動かない。  ──アースとアテリア、か。
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