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とりあえず自分の席に座ろうとして近づくと、私の席の近くで女子三人が話していた。
その中の一人が私に気付くと同時に、凄い勢いで話し掛けてきた。
「おはようございます、南(みなみ)!!
万里川さんって分かりますよね?」
普段は冷静で大人しい百合子(ゆりこ)が、声を大きくして話し掛けてきたので私は驚いた。
「おはよう百合子。
どうしたの、突然?
このクラスの万里川さんのこと言ってるんだったら、もちろんわかるけど」
私は窓際の後ろ、今は誰も座っていない席に目配せしてみせた。
万里川さんの席の周りには、まるで避けているかのように誰もいない。
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