日常

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私は首を横に振った。 「まったく分からない。 万里川さんってそんな目立つ人じゃなかったし。 話したことなんてほとんどなかったと思うよ」 「やっぱりみーちゃんも知らないかぁ」 はるちゃんは残念そうに言った。 三人の中で何度も同じような会話をしたのかな。 言葉はがっかりしているけど、あまり気にしてない様子だった。 私はこの噂が本当かどうか、すぐに確かめようとして夏(なつ)を探す。 周りを見渡すとさっきは気が付かなかったけど、みんな私達と同じように万里川さんの話をしていた。 その中に夏はいなかった。 荷物が机に置いてあるから、この学校の何処かにはいるのだろうけど。 (夏に聞いたら、噂が本当か確かめられるのに……)
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