日常

14/17
前へ
/31ページ
次へ
「チッ。 今日は大切な連絡がある。 このクラスの金子が亡くなった」 沢田は少しイライラした口調で、しかし何の感情もこもっていない声でそう告げた。 まるで、今日は授業変更がありますというように。 教室内は静まり返る。 誰かが息をのむ気配がした。 その瞬間、私は寒気がした。 三日前に会った人が突然この世からいなくなった事に。 私と同じ歳の女子生徒が自分から命を断った事に。 なにより、それを事もなげに告げた教師に。 ほんの少しの間だけだったけど。 私は寒気がしたのだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加