~プロローグ~

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「おい、そこのやつ。その子をこっちによこしてくれねえか?」 自分の身体を走っている電流をまるで見せびらかすかのように面倒くさそうに少年は俺に言ってきた。 なんと言って返せばいいのかわからなかった俺が言葉に困っていると、彼女が身体を震わせながらもう一度俺の腕につかまってきた。 「へんな考えなんて起こさないほうがいいんじゃねぇか? ほら、お前にもこれが見えてるんだろ?」 そう言うと、少年が右手を上に挙げた。 次の瞬間、少年の右手で走っていた電流がその量を増す。 「これ、人の身体に接触なんかしたらどうなるかとかわかるよな?」 これはやばい。直感でわかる。この場にいたら確実に死ぬ。 でも……。 胸元で震えている彼女のことを考えるとどうも放っておくことができない。 「この子をどうするつもりだ」 勇気を出して、声にした。
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