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やっぱり、というべきなのだろうか。 彼女は輝いていた。 広いコートを滑るように駆け抜けボールを手足のように操り戦乙女顔負けの活躍を挙げる彼女はすぐに僕の眼に収まった。 彼女は、別人だった。 汚れなき黒髪をたなびかせてクロブチメガネをコンタクトに変えたその顔はいつもの彼女とは違った雰囲気をかもしだしていて、 正直、どきっとした。 高志が横から口を挟む。 「うわー、さすが元キャプテン。うまいねー」 それは僕に言ったものなのかそれともただの独り言だったのか判然としなかったが、どちらにせよ今僕に答えるだけの余裕はなかった。許せ高志。 「あれじゃ確かに告白されるわけだ」 「マジか!?」 ヤバいじゃないか! 「女子からだけどね」 なんだそれは。 微妙な安堵感と共にそっと彼女の方を見てみる。 ちょうど華麗にシュートを決めているところだった。 ……うん、確かに格好いいけど、……女子に告白て。それでいいのか女子よ。 いやそれよりもだ。 何故僕はさっきヤバいなんて思ったんだ? 別に彼女が誰と付き合おうが僕には関係ないじゃないか。 あんな地味で目立たないクロブチメガネの不細工顔負けの不可な顔をした彼女なんて。 「……何してるの、君達」 「うわっ、」 やばい見つかった、って彼女か……いやヤバいじゃないか! 慌てる僕をよそに高志が話し掛ける。 「いや、相変わらずモテモテだなぁと思って」 「……そうゆう飯塚君はデブったね」 「口が悪いのも相変わらずで」 なんで。 「……二人、仲いいの?」 想いはそのまま口に。 「まあ、それなりに」 高志の返答をよそに、彼女は何も言わず黙って僕の顔を見た。 だけど僕はその思いもかけない事態に思わず顔をそらしてしまった。
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