正される記憶

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「興味ないの?」 「どうせいつものオチさ」 「けっこう本気なのに」 「じゃあキスしていい?」 「それはダメ」 「本気じゃないじゃん」 「きっかけがないと」 きっかけ……きっかけ……。 うん、俺の火は殺すためには使わない。 面白いことに使う。 だったら今夜、最高の準備をしようじゃないか。 「変なこと考えてない?」 「別に」 夜はやっぱり冷える。 夏に近づいてきたと思うんだけどな。 まあ校庭に仕込みを入れる最大のチャンスだな。 複雑な文字は計算がめんどくさいからスキって文字にして……うん、この角度とこの角度で……。 あとは非常階段から屋上に行く。 点火用の油を仕込んだ糸を特殊な油に浸したダンボールと結ぶ。 糸はスとキの先に1本、それを結んだマスターとなる糸を持って完成だ。 あとは…… 「もしもし、学校まで来て。親連れて来てもいいからダッシュで」
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