正される記憶

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校門で待っていると紫子が走ってきた。 後ろには誰もいないので1人で来たのか? いや、車の音がするから近くに親がいるのだろう。 「どうしたの?」 「屋上で綺麗な物が見えるんだ。きっかけになるかな?」 「えー、なになに?」 「まあ来な」 お嬢様をエスコートして屋上まで来た。 一世一代の告白タイムだ。 「校庭をよく見てて」 マッチに火を点け、糸を燃やす。 火を通し、熱を通さない手袋をしているので糸を持っても大丈夫だ。 糸はすごい速さで燃えていき、二手に別れた。 ダンボールまで到達するとスキという文字が燃え、浮かび上がった。 「わぁぁ、綺麗」 「散る時もね」 数秒するとダンボールは一瞬で燃え尽きた。 燃えてから何秒かすると消えてなくなる。 原理はマジックのフラッシュコットンと同じだ。 わざわざ持ち出した武器の1つ。 「じゃあキスするね」
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