正される記憶

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俺は確かあの後キスをして家に帰ったんだ。 高校生のガキにキスしたんだと言われればおしまいだが。 でも俺も高校生、健全だ。 そういえばキスしたの初めてだ。 今更ながら恥ずかしい。 ああもう変なこと考えてないで早く家出よ。 「おはよう」 「ああ、おはよう。今日は来てないと思ったよ」 「私ちゃんと起きれるもん」 「ママが起こしてくれたの?」 「パパ」 「そっか、やっぱり自分じゃ無理か」 「違うもん」 若干拗ねてる所が可愛かった。 まだ高校生だから幼さが残っているし感情が整理できないのだろう。 まあ人は俺のように割り切って生きていないだろう。 「女の魅力は胸だよねぇ」 「急にどうした?」 「もっとセクシーになりたい」 「ああ、美容整形か」 「違うよ。それは最後の手段だよ」 「頼るのか」 「だって恋人候補だし」 「候補言うな」 最初からこうすれば良かった。 こうすれば紫子をからかって毎日遊びながらく暮らせたんだ。 遅すぎたんだな。
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