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連れてこられた場所は公園だ。
バイクと男、つまりは邪魔者をこうやって排除してきたわけだ。
「単刀直入に言う」
「紫子から離れろ、だろ?」
「わかってるじゃん」
「じゃあ全ての女と……!」
あの男、親父を轢き逃げした暴走族だ。
警察のコネでもみ消されたんだ。
あいつ、確か同じ事して殺したんだ。
でも殺さない。
「このバイクすげー。こんな上手な改造見たことない」
バイクの下に超小型爆弾を仕組む。
この爆弾はバイクを吹き飛ばす程度で殺傷力も弱い。
あの位置ならちょうど俺の真後ろに吹き飛ぶ。
よし、時間をかけて燃える糸点火。
「あ、答えだよね。断る」
そう言った瞬間にバイクは頭上を超える。
そして真後ろに落ち、辺りにオイルが漏れた。
そのまま宙返りでバイクの上に着地。
マッチを数本取り出してバラまいた。
辺りを点々と燃やし、火もそれなりの大きさ。
だがこれも牽制。
思った通り黒澤は襲いかかってきた。
「こんな火怖くねえ」
「わかってねえな」
黒澤が突進してくる。
だから火の逆に蹴り飛ばした。
口に持ち歩いているオイルを含み、新しいマッチに火を点けた。
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