8人が本棚に入れています
本棚に追加
「実はお前が行ったのは」
「過去じゃねえんだろ?」
「正確には」
「だと思ったよ」
意識が戻った場所はいつもの場所だ。
風景も雰囲気も変わっちゃいねえ。
俺も汚れたままだ。
「だが変わっただろ?」
「なにが」
「心が」
「変わったって意味はねえよ。見張られて過ごすだけだ」
「やっぱり変わってねえ。じゃあいいさ」
急に俺の口が開き、言葉を発した。
「俺を連れてけ。主に用がある」
初めてだから見当はついた。
神だ。
体が痺れていく。
なん……だと。
「お前は残念ながら逃げられない。せっかく涙まで流したんだ」
うるせえと言う前にまた意識が途切れた。
最初のコメントを投稿しよう!