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逃げても逃げても追ってきた。
それは永遠に消えぬ、罪。
償うことも出来ず、全てを捨てて逃げ出した。
償う方法もなく、ガキだから逃げるしかない。
「汚れたな」
醜く濁った俺の顔には泥が着いていて泥の方がまだ綺麗だった。
その手でいくつもの命を奪った。
俺が殺したのではなく、火が殺したと答えれば楽になるのかもしれない。
しかし俺の近くには人がたくさんいた。
「人が罪を償うには、殺されればいい」
視線の先には不規則に漂う何かがいて、今までに遭遇したことはなかった。
「俺も疲れたみたいだ」
「絶望した主に力を与えよう」
「力?」
「3つの何かを持って、過去に帰そう」
「どういうことだよ」
「現在にある何か3つを過去に持ち込み、何かを持った状態で過去をやり直す」
「胡散臭いが……すがろうか」
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