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「ただいま」
紫子をストーカーするように帰った。
ここで時代は変わり、殺人鬼とならないのか。
いや、元凶が残ってる。
武器も技術も記憶もあるなら奴を消すことくらい簡単だ。
そう、簡単だ。
俺は結局人殺しなのだ。
記憶が残る限り永遠に人殺しであり、記憶を持ち込まなくても回避できない。
つまりこの運命から逃れられない、神の奇跡でもなんでもないんだ。
自分の部屋に戻った時、頭上が光った。
「殺されたら償える意味、理解したか?」
「ああ、生きてる限りは背負うんだな」
「それが人の業だ」
「お前仏教なのか?」
「さあな。それより今に絶望したか?」
「たった少し会話した。あの時だけでも充実したんだ」
「意外とタフだな」
「ただの女好きさ。今度は守る。だからまだ消えててくれ」
「いいだろう」
光は消え去り、声も消えた。
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