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そして翌日、紫子と一緒に通う。
俺が殺めてしまう前の紫子と。
彼女は精神が崩壊しなかったらどうなるのだろう。
黒澤が手を出さないで普通に暮らしていたら。
「殺されて逃げるか殺されないで戦うか」
「え?」
「いや、別に」
「今の名言みたいだよね」
「そうか?」
「うん」
殺されないで戦うというのは生きて戦うか、と比較できない。
生きることが許されてない俺には殺されないで、と表現するしかない。
所詮、人生とはそんなものだ。
与えられたチャンスすら無駄に等しい。
「難しい顔してないで別の話しようよ」
「別の話というと?」
「じゃあなんで車は飛ばないの?」
「空を走るなんて無理だ。技術の前に理論が確立していない」
「例えば地面に磁石を埋めて車の下にもつけるの」
「重いと浮かないし軽いと浮きすぎるな」
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