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「黒影だけでもかなり手強いのに、もう一人厄介なのがいますからねぇ・・・」
親方がポツリと呟いた。
「神速のジャンゴ・・・ある意味、雷霧衆頭領の黒影よりもヤバいからな」
親方の言葉の後を継ぎ、バルクレーが話しを続ける。
「頭領の黒影は、黒龍丸と言う名の刀身の黒い刀を使う。その剣術やかなりの凄腕。それに対しジャンゴが使うのは刀身が20センチ程の短刀」
「接近戦が得意な奴なんですね」
言葉を挟んだテリヤキをチラリと横目でバルクレーが見て話しを続ける。
「その通りだ。しかし、奴が黒影よりもヤバいと言う理由は接近戦の巧みさだけではない・・・
神速のジャンゴ、奴の動きは上級武闘士でも見切れない程の速さを持っている。
この根虎衆の上級武闘士の中でもジャンゴの動きを何とか見切れるのは少数・・・」
そう言うと、バルクレーはオッシーのほうに視線を向けた。それと同じ様にオッシーもバルクレーを見ている。
「───見切れるのは、バルクレーとオッシー位でしょうねぇ。まぁ私もですが」
今まで静かに話しを聞いていた親方が口を開いた。そして、ここに集まった六人を見回すと、
「正式に任務を伝えます。最前線に赴き雷霧衆と接触。次に、黒影とジャンゴを引き離し、オッシー達は黒影を押さえる事。バルクレー達はジャンゴを。
それから・・・もう一人、うちの上級武闘士が最前線にて任務を行っていますので、彼にこの書状を渡して下さい。
今回は雷霧衆が相手。黒影、ジャンゴ以外も結構な手練れの者ばかりです。心して任務に当たる様に!」
親方が任務を言い渡したと同時に、テリヤキ達六人は素早く行動に移った。
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