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「───テリヤキ
貴方、雨にうたれて全身がずぶ濡れですねぇ・・・まずは話しをする前に着替えて来なさい。」
「しかし・・・」
反論するテリヤキの言葉を遮る様に、
「良いから着替えて来なさい。
それにモエコ、オッシー。テリヤキがずぶ濡れだというのに、誰も何とも思わなかったのですか?」
さっきとは違い厳しい声で親方が言うと、テリヤキは直ぐに着替えの為に部屋をで、モエコとオッシーは申し訳なさそうに頭を下げた。
数分後、テリヤキが戻ると、
「最前線にて偵察してきましたが、我がライコロ王国とインドウ国の攻防は一進一退です」
静かにテリヤキが話しを始めた。誰もが静かに話しを聞いている。
「───しかし、そこに黒影とジャンゴ率いる雷霧衆(らいむしゅう)がインドウ国に加勢を・・・」
ライコロ王国は、どちらかと言えば剣術や体術に秀でた兵団をもち、近隣の国々に『砂漠の虎』と恐れられている。テリヤキ達は、そのライコロ王国お抱えの武闘士集団『根虎衆(ねとらしゅう)』なのである。分かりやすく言えば、忍者集団である。
対して、インドウ国は魔術等に秀でた兵団を持っている。ライコロ王国に異常な長雨を降らしているのが、隣国であるインドウ国に所属する魔闘士集団『音羅夢衆(ねらむしゅう)』なのである。
以前から国境付近で小さな小競り合いはあっていたが、今回の様な大きな戦争に発展する事など、ここ数十年間なかった。
それでは何故、インドウ国がライコロ王国に雨を降らせるのか?
それはライコロ王国の所有する豊富な天然資源にある。
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