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油田や鉱山を多数所有するライコロ王国は、それらを近隣の国々に輸出している。インドウ国もその一つであるが、インドウ国自体は自国で産出する天然資源を持っておらず、すべてを輸入に頼っている。
ライコロ王国の所有する一部の鉱山がインドウ国との国境付近にあり、しかも、その国境が曖昧と言うのが曲者なのだ。大体起こっている小競り合いの原因もそこにある。
その事に業を煮やしたインドウ国側が、ライコロ王国に異常な長雨を降らすという行為に出たのだ。
初めはライコロ王国側もそこまではこの雨に対し気にしてはいなかった。
しかし、何ヵ月もの間一度も止まない雨には誰もが精神的に参ってきたその時に、インドウ国が国境を越え攻めて来たのである。
初めのうちはライコロ王国が有利に思えたが、長雨の影響と執拗なインドウ国の魔術での攻撃に、両国が一進一退の攻防を繰り返すその矢先に、インドウに『雷霧衆』という武闘士集団が加勢に入ったと言う情報をテリヤキが掴んで来たのである。
『雷霧衆』とは、どこの国にも所属していない武闘士集団であり、いわゆる傭兵的な事をしている。
「───やはり、雷霧衆が不穏な動きを見せていると言う情報をちらほら耳にしていましたが・・・」
軽くため息をついた親方は、部屋の右手にある書棚から一冊のファイルを取り出した。そのファイルの中から何かを探すようにペラペラと捲っている。
「───ありました、ありました。」
そう言うと、ファイルの中の資料をテリヤキ達三人の前に置いた。
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