第六章 最後の艦隊決戦

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アメリカ合衆国 某所 暗い会議場。 その中で真ん中だけライトで照らされている人間が居た。 トルーマンである。 「確か君は『東洋の猿ごとき、数ヶ月で潰します』なんて豪語していたが、今の状況は何なんだ?ホラ話だったのかね?」 トルーマンを囲むテーブルに300人が座っている。顔は見えない。 「申し訳ありません‥‥‥」 トルーマンは怖じけづき、冷や汗が頬を伝う。 「誰が謝罪を求めている様に聞こえた?」 テーブルの右端の人間が言う。 そして後ろからも。 「全く‥‥‥これでは我が社も中国市場の展開を延期しなくてはならないじゃないか。」 「いいかね。我々の人類牧場化計画は絶対に成功させなければいけない。それを東洋のイエローモンキー共に邪魔されては困るのだよ。君の任務は日本を支配下に置いてドイツとの軍事競争を行う事だ。」 「軍拡競争はこの世を統制する以上必要な事だ。それに我々も資本を確保しなくてはいけない。」 「はい‥‥‥」 トルーマンはただそう言うほか無かった。 この組織は300人委員会と呼ばれる、実質的に世界を掌握している組織である。
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