第六章 最後の艦隊決戦

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日本時間12月7日 肌寒い季節となり、ちらほら雪が降っていた‥‥‥‥と書きたいところだがここはオアフ島である。 常夏のハワイ諸島に太陽の紫外線が降り注いでいた。  約1ヶ月前に占領したこの地は日本軍のアメリカ本土攻撃への中継基地であり、連合艦隊が錨を降ろし、着々と本土上陸の準備を整えている。 少なくとも来年の春頃には上陸が開始されるだろう。 本来は来年の夏から冬にかけて上陸作戦を行う予定だったがアメリカの工業力に危惧した大本営は数ヶ月近く前倒しして行う事に決定した。 これは、300機近くのBー36を撃墜したにも関わらず数ヶ月後に現れたBー35は同じく300機近く。それで撃墜してもハワイ上陸では200機近くのBー36とBー35が駐機していた。この機体達はパナマから来るはずの油槽船を待っていたが、例のパナマ攻撃と他潜水艦の通商破壊によって燃料の補給を差し止めていたのだ。 そしてパナマ攻撃の時に出現したFー86セイバー。 この機体もスパイによって大量生産ラインに入り、連日飛行場に機体が回航されている情報を入手した。 そして、アメリカ軍はダッチハーバーに艦隊を集結させ、ハワイ奪還の機会を伺っている様子も把握されている。 これは空中管制機富嶽が偶然傍受したアメリカの暗号からだ。 富嶽は管制機の役割を行うと共に、敵無線の傍受と早期警戒機、偵察機、そして超重爆撃機の役割を持っている。
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