第六章 最後の艦隊決戦

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次にヨーロッパ戦線の状況を説明しよう。 ナチスドイツは遂にモスクワを陥落させる。 スターリンはウラル山脈にて徹底抗戦を示し、大規模な要塞建立を行っている。 ヒトラーは日本に対し対ソ宣戦を望んだが日本は日ソ防共協定と対米戦争を理由に現状維持を通した。 日本も協定締結当時からこの事態を予測していたが、あの非常事態を考えるとやむを得ない選択であった。 さて、本編に戻そう。 アメリカ軍と日本海軍は同時に艦隊を発見し、日本は艦載機を発艦。アメリカ軍は上空警戒をしていたFー86が艦載機迎撃の為日本軍艦隊へ向かった。 日本軍の艦載機第一撃は、やはり陣風であった。 関大尉は電話で妻から元気な女の子が産まれたと知ったが米本土上陸の前倒しに伴い、休暇をハワイで過ごす事になった。 関は本土に戻れないという落胆はあったが、同時に娘の顔を見るまで死ぬわけにはいかないと心から誓った。 関はその強い意思の中、太陽の照らす太平洋の空に、銀色に輝く敵戦闘機を視認。 機体をバンクして無線を部下全員に繋ぐ。 「いいか、俺達は大日本帝國一番の飛行機乗りだ!全員生きて返る!行くぞ!!」 部下に喝を入れてFー86の編隊に突入する。 次々と旋回する陣風。 敵、之に気付き散開する。 が、陣風の放った第一撃は3機のFー86に命中し、火だるまとなって墜ちた。 音速での一撃離脱攻防が始まった。
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