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「幽霊なんているわけない幽霊なんているわけない幽霊なんているわけない幽霊なんているわけない幽霊なんているわけない……、そうよ! 馬鹿じゃないの!」
「おい、そっちじゃないぞ……」
向かうは中庭。聞いたところ、ミステリーサークルのような模様は今も芝生に残っているらしい。
ただ、それは屋上からしか見えないようで、微妙な角度では確認しづらい。何故なら、この学校の中庭は尋常ではないくらい広いからだ。
「鍵掛けてあるなんて聞いてないぞ……」
「なら壊しちゃえば?」
「阿呆。立て続けに悪戯されてるのに、通報装置を仕掛けてないわけがないだろ」
冷静に考えればわかりそうだが、それすら考えられないほど怖いらしく、未だに震えていた。
「まあ、実は裏技があったりするんだけどな」
彼はそう言うと、長い針金を取り出し、慣れた手つきで鍵を開けてしまった。
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