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「馬鹿じゃないの!? せっかく鈴姫ちゃんが用があって来たのに無視して!! 焼き払っちゃうからね!!」
それは大変ご遠慮していただきたいものだと、黒木は溜め息を吐いた。最近それが癖になっている気がする。
「……で、鈴姫さんだっけ?」
「はい……」
「ゆっくりでいいよ。待つから。用って何?」
先程の黒木とは、様子がまるで違っていた。限り無く優しい雰囲気。それはどことなく爽やかで、安心感があった。
「あ、私、その……、魔法科学部に興味があって……、あ、う……」
「何……だと……?」
「え? 黒木さん?」
黒木はあまりの驚愕に顔を強張らせていた。鈴姫は不思議そうに困惑する。
「藍、遂に揃った……、記念すべき五人目が……!!」
「そうよ。だから連れてきたの。それなのに、何度行かせたって相手にしてもらえないって言うから来てみれば……」
「大変失礼しました、鈴姫さん。ささっ、部室に向かいましょう!!」
「……秀介、キャラ壊れてるよ」
一抹の不安を抱えながら、三人は黒木に続いた。先が思いやられるなと、藍は人知れず嘆息したのだった。
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