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「ところで、二人はどういう関係なんだ?」
部室に向かう途中、黒木は二人にそう訊ねた。
「鈴姫ちゃんは一年生よ」
藍が言うと、鈴姫は頷いた。
「にしてはフレンドリーに来たな。いきなり君付けとは……」
「私がそうしろって言ったの。何か問題が?」
「別に、ありませんよ」
仲睦まじそうな二人を、鈴姫は微笑ましそうに見つめた。
そんな中、黒木はふと立ち止まって、鈴姫に向かい合った。
「何度か来てくれてたみたいだけど、その……、悪かったな。俺、ああいう性格だからさ」
「いえ、全然気にしてませんよ。あ、そういえば、桐原先輩がさっきやってたのって……」
藍はそう訊かれてバツの悪そうな顔をした。見た以上に凶悪な魔法を放ったからだ。
「あれはな、護身用のスタンガンを触媒にして、何個も電池を使って放った電磁砲なんだ。電圧にして二百万ボルト。初速は限り無く光速。完全に殺す気だったね、あれは……」
「秀介だったら大丈夫だと思ったから放っただけよ……、う、あ、でも……、ごめん」
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