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「気にすんな。まだまだ、お前の魔法程度では死なんよ」
ぽん、と彼女の頭の上に手を置く。藍は赤面するが、黒木はそんな彼女に微笑みを送った。
それから彼らが向かったのは、科学室だった。昔は旧校舎を使っていたが、現在ではこちらを使っている。
「お前ら、真面目に働いてるかー?」
開口一番、黒木はそんなことを言った。科学室内には他に三人。全員が顔をしかめたのだった。
「黒木、相変わらずの減らず口だな。てめぇこそ働いたらどうだ」
「おっと、工藤。俺ならば先程、大仕事を成し遂げた所だ」
「ほう、その大仕事とやら、内容をきかせてもらおうか?」
工藤、と呼ばれた男は、見た目は完全に不良で、長い金髪にピアス、厳つい顔と三拍子が揃っていた。
鈴姫はこんな人が魔法科学部なのか、と息を飲む。黒木も藍も工藤もそうだが、他の二人も少しも部員に見えなかった。
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